2011年 4月27日(水)- 5月1日(日) 
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<ポストカード裏面の文>
2005年から毎年、球根の水栽培の成長過程を絵に描いている。神楽坂の「フラスコ」という細長い空間で、去年と今年描いてきた球根の絵を並べたいと思った。
フラスコ」という細長い空間で、去年と今年描いてきた球根の絵を並べたいと思った。その空間で、フリーマーケットで見つけたアメリカのコイン袋に最小限手を加えてサコッシュのようなbagを作って展示販売しよう。
特別な何かを作るのではなく、目の前にある当たり前のモノから意味のあるものを作りたい。

ポストカードのデザインは前回の個展「スカート」に引き続きミスター・ユニバースの関さんにお願いする。前回と連作というイメージ。

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「フラスコ」では毎週何かの展示会をやっている。どちらかというと雑貨や衣類など商品を展示販売することが多い。絵のような平面の展示はあまりない。2009年の「スカート」展を観に来てくれたオーナーから2010年12月にお誘いを受け、自分にどんな事が出来るか考える。オーナーは前から僕のTシャツを愛用してくれているので、絵とTシャツは決まっていたが、この空間にはもうひとつ何かが足りなかった。

以前、生地とプリントの具合に惹かれて買ったコイン袋で何かを作れないか考え出す。それを持って12/28に何も無い空間を見せてもらう。この時は何の絵を飾るか未定だった。
その後、この細長い空間の右側に「球根」の絵だけを、左側には薄いbagの展示にする事に決めた。下が簡単な図面と球根のサムネイルを使ったシュミレーション。
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「サコッシュ」について
高校生の頃からフリーマーケットに行っている。昔からスニーカー、古着など欧米で作られたものが好きだ。昨年アメリカの古いコイン袋を見つけ、何かに利用したいなとまとめて買った。この無駄に縦に長い袋の使い道を考えていて、サコッシュを作ろうと思った。

自転車のロードレースで、選手に補給食を渡すための袋をサコッシュという。別にロードレースに出るわけではないが、自分が今回作る袋を単語に置き換えるならサコッシュだろう。
最小限手を加え紐を縫いつけ、長さは買った人に結んで調整してもらおう。もちろん短く結べば自転車に乗っても体にフィットする。

縫い目はそろっていないが、皮革用の麻糸で返し縫いをしているので、強度的には問題ないはず。紐の着ける位置は、自分なりに考えて左右非対称。
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5日間の展示がスタート。その間の事は4月の日記に書いています。
神楽坂はいろんなお店が点在しているので、ふらっと入ってくる人も多い。絵に興味なくても見てもらいたかったので、表通りからの人の流れに対してサコッシュが目に入るようにディスプレイをする。
入り口はガラス面にステンシルとスプレー。
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2010年分
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2011年分
中央柱より奥に2011年分から選んだ3x15+5。
フラスコは会場奥には小上がりがある。その境で墨とカラーを切り替えた。入り口と向かい合う壁に白いモビールを2つ配置する。
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サコッシュ
入って左側に細いロープとオーナメント用の針金を使ってサコッシュやTシャツをぶら下げる。
手前に出力をつなげたポスター。
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サコッシュは1点1点柄やサイズが違う。こういうbagを売るのは初めての事だったのでどれくらいの数を作るべきか分からなかった。結局多くの方に買って頂き、日々追加製作し注文分を入れて手持ちのコイン袋30枚は全てサコッシュになった。
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小上がり
フラスコには七畳半の畳の小上がりがある。展示前はここをどう使うか、どう靴を脱いでもらうか迷っていた。この写真は小上がりに腰掛けて通りを見た感じ。
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中央に台を置き本やポストカードとともに、この2年間に描いた白と紫の球根、約450枚の原画のfileを置いた。今回の展示はそのfileの中から「紫」に絞り、その中から抜き取った98枚を壁に貼った。
小上がりの右側は絵の展示に向き合うスペース。左側はTシャツや”scraps"の出力など物販スペースに使った。その上に鏡状のモビールを2つ配置した。

実際5日間会場にいて、この畳のスペースはとても有効だった。靴を脱ぐ事でゆっくりfileを見てもらえたし、畳の上だと人が近くにいてもそこまで気にならないようだった。多い時は10名弱がそのスペースにいたがバランスはとれていた。
右のTシャツは今回の個展「球根とサコッシュ」用に自分で刷って作ったもの。
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今回は企画展として「フラスコ」のオーナーから声をかけてもらった。自由にやって下さいと言われたが、ただ良い空間を作るだけでは僕もオーナーも生活出来ない。展示空間と実際に売る事を頭に入れて2010年12月からスタートした。
個展終了後に集計を出すと当初目標にしていた額に届いていた。
お買い上げ頂いた方々ありがとうございました。
そして3/11の震災からひと月半のこの時期に、個展に来て下さった皆さまありがとうございました。
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